【25年目の麻布中学合格体験記】禁じられた蛇文字

【25年目の麻布中学合格体験記】記憶はシャーペンに宿る

シャープペンにこだわっていたことをこの前話したが、文字の書き方にもこだわっていた。とりわけ、数字については

  • 読みやすさ
  • 指や手への負担の少なさ
  • 美しさ

などを考えて、色々な書き方を追究した。

結果、私が受験後半にたどり着いた「2」の書き方はこのようなものであった。

これはまさに、最強シャープペンのディンプルを使っていた二組の子の書き方であり、私はシャープペンも字もパクったことになる。その子は習字をやっていたからだと思うが、字がとてもきれいに見えたのだ。

特に今となっては、アルファベットも知ったからアルファとかLの筆記体にも見えるという意味で、紛らわしいというのはわかるのだが、当時はそんな知識はなかったから、これが自分にとっては2にしか見えなかったのだ。そして、このように常にシャープペンを円を描くように動かすことで、疲労も少なくなるという考えのもと、これが最善だと信じていた。例えば、アルファベットの筆記体は、こういう感じで円を描くように書けるように設計されているし、この主張自体は当時は感覚的なものだったが、間違ってはいなかったと思う。

しかし、塾の講師たちはこの選択をよしと思わなかった。「なんだこの蛇文字は」と言って批判したのだ。もちろん、美的にどうのという主観的な話ではなく、答案が誤解されて不正解にされてしまう可能性があるからすぐに直せと言われたのだ。しかし私は引き下がらなかった。この書き方が最善と信じていたから、「あなた方がこれを2だとわかっているのだから採点官が間違えるとは思わない」と言って突き通したのだ。私は、自分が正しいと思っていることについては突き通す覚悟が昔からあった。相手が塾の講師だからどうということはない。

さて、相手もプロである。どう反撃してきたか。塾内で受けたテスト答案すべてに蛇文字チェックをかけ、些細なものでも蛇文字を見かけると、不正解にしてきたのだ。こんな感じでこれでもかこれでもかと、蛇文字に赤ペンで✗をつけた上で。ふつうの親なら金属バットを持ってカチこむところである。

これには私も反論しにいったが、取り合ってもらえず、蛇文字を書き続ける限りずっと✗をつけ続けると大人げない宣言をされ、泣く泣く私は蛇文字を封印したのであった。蛇文字を書きそうになると、ぐっとこらえて輪っかを作らないように右方向に直線で返すように意識することで、蛇文字はどうにか改善された。

文字が汚いのは仕方がない。頭の良い子ほど字が汚いという俗説もあり、私も自分のノートは自分でも読めない。しかし、汚いのと読み間違えられるのは別次元の問題である。字が誤読の可能性がありそうだったら、きちんと矯正してあげる方が良いと思う。

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