わかりやすい文章の書き方「10割調べて8割を捨てる」

みなさんの周りには、何かを喋っているのだけど、何を話しているのかが全くわからないという人はいませんか?逆に、言葉は少ないんだけど、すべてが芯をついている話し方をする人はいませんか?

わけわからん人の特徴というのは、以下のようなものだと思います。

  • 頭の中で話すことを考えながら話している
  • 言いたいことすべてを話そうとしている
  • 言ってることの脈略がない

これは、文章にも言えることです。これらの特徴をもった文章は、何が言いたいのか読んでも全くわかりませんし、読むのも苦痛になってきます。まるで本人のメモ書きのような体裁を為していて、「チラシの裏にでも書いてろ」と捨て台詞を吐いて、そっ閉じしたくなります。これがネットのブログならブラウザバックすれば済むことですが、仕事でこういう文章を読まなければならなくなると、精神が削り取られます。

この記事では、わけのわからん文章を書かないようになるコツをお話します。自分の文章をよりわかりやすくしたい人は、続けてお読みください。話し言葉についても応用出来る技術だと思うので、よりわかりやすく伝えられるようになりたいという人もご参考ください。

パレートの法則

パレートの法則というのをご存知ですか?8020とか82の法則とか呼ばれることもあります。これは例えば、

  • 全体の資産の8割は2割の人によって保有されている
  • 仕事の8割は2割の人によって行われている
  • 売上の8割は2割の商品によって支えられている

など、簡単にいうと「上位2割に比べれば他は大きな問題ではない」という話です。誤解を恐れずいえば、残りの8割は捨ててしまっても大局には影響しないということです。

これは、実に広く応用されている考え方で、

自分の持ってるものの8割は捨ててしまっても良いと考えれば、論理的に断捨離出来ますし、

仕事がないので断捨離した

実は、コンピュータにおけるキャッシュという高速化に関係ある部分でも使われています。全体のデータのうち本当に使われるのは上位2割(実際には2割どころではなくもっと低いですが)だから、実際に使われているものをより高速にアクセス出来るところに置いておけば、全体の8割のデータアクセスが高速なアクセスになるという理屈です。よくわからん!という人のために、日常に例えると、よく使うものは自分の机に置いてあったりするのと同じことです。私の机には、目薬と耳かきと爪切りが置いてあります。

パレートの法則を文章に応用する

パレートの法則を文章に応用しましょう。すると「言いたいこと全体の2割だけ書けば、8割は書かんでよい」となります。もっともコアとなる部分の2割をいえば、全体の価値の8割は伝わるということです。

これはもっと踏み込んでいえば、コアとなる2割を書いて、それで価値が十分に伝わらないのであれば、残りの8割を書いたところで意味がないということもいえます。

逆に、読み手側の気持ちになって考えましょう。文章を書くというのは情報を伝えることを目的としたコミュニケーションであり、所詮は自分の主張が正しく伝わることが目的です。従って聞き手からすると、大事な2割が伝われば十分なのですが、仮に10割をだらだらと書き続けたとしましょう。すると、以下のような弊害が生まれます。

  • どこが大事な2割なのかわからない
  • 大事じゃない8割のせいで大事なところが希釈されてしまい、記憶に残らない。理解の妨げになる
  • 途中からうんざりして、脳が拒絶してしまう。結果として全部理解出来ない

従って、大は小を兼ねるという理論で全部を平等に主張しようとするのは害にしかならないということです。冒頭に紹介した、何を言ってるかわからない人の例というのは、10割を伝えようとしていることが原因の一つといえます。自分の主張は自分の子供のようで、出来不出来によらず全員平等に大切なのだという気持ちを持つと、害にしかなりません。

ではどうすればいいか?

まず書きたいことの10割をメモにまとめるか、頭の中にまとめます。その上で、以前に紹介したように、文章構造を決定します。

【京大式】読みやすい文章を書くコツを教えます

文章構造を作るというのは、2割の部分を強調するということでもあります。より大事な部分は、上位の階層に来るからです。文章の場合は、残りの8割は枝葉の方で補足的に書いていくことになります。こうすることで「興味がある人は読んでください。でも大事な2割を読めば十分です」という形になりますし、その意図自体を明確にすることが出来ます。いかに、大事な主張とその補足を分離するかというのは、書き手の技量だと思います。

8割の部分は、本質的にはなくても良いですし、特に、話し言葉によるコミュニケーションの場合はない方が良いと思います。しかし、ブログなどで文章を書くとなると、枝葉の部分も多少は埋まっていないとあまりにスカスカに見えてしまいますし(文章をかさ増ししてSEO対策するためではありません!!)、何も根拠なく主張してるかのように見えます。一方で話し言葉であればそれは「聞かれたら話せばよい」だけだと思います。何を言ってるかわからない人に対して「そんなこと聞いてない」と思うことがあると思いますが、その感覚は正しくて、本当に聞いてないことをべらべらしゃべってるだけなのです。

今後もわかりやすい文章を書くためのTipを書いていくので、応援よろしくお願いします。

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