【日本の宝】拝承記法は素晴らしい!!!

日立製作所、通称「拝承」には奇妙な文化がたくさんある。そのうち特にメールの書き方は、ネット上で絶大な人気がある。

ここでは、宛先の書き方を拝承記法と呼ぶことにする。

拝承記法は実は、部署によって若干の方言があるが、およそ共通していることは、名前を()でくくり、後ろに階級を添えることである。例えば、吉田課長がいたとすると、(吉田)Kとなる。部長ならばB、本部長ならばHである。ヒラ社員では、(吉田)となる。これにより、管理職とそうでないもののを一目で区別することが可能となる。その上の階級になると、カタカナになる。彼ら「偉い人」は別名「カタカナ」とも呼ばれる。例えば吉田社長は、(ヨシ)などとなる。衝突がある場合は、多くは適当に回避されることとなる(例: 1文字目と3文字目)が、他部署に配置転換となった上で憧れの(ヨシ)となるケースもあるかも知れない。

日立製作所に入社社員はまず、この拝承記法に戸惑うが時期に慣れ、補完機能を華麗に使いこなし、華麗にメールを書くようになる。

私が転職してから半年以上が経つ。色々と仕事を進める中で親会社のメーリングリストなどにも入れられるようになった。そこで、転職直後には気づかなかった、拝承記法の素晴らしさに気づいた。

KとかBとかついてないで、〜さんとしか書いてないと、誰が課長で誰が部長かが分からないのだ。

実際、全員がヒラということはさすがにあり得ないだろうから、誰かしらはKでありBであるのだが、誰がKで誰がBかが全く分からない。中途社員は全くかやの外である。

日立製作所はほとんどと言っていいほど中途社員を受け入れていないが、その文化は、中途社員に優しいものだったのだ。

しかしこれは皮肉ではなく実際に意味がある。日立製作所は3万人(うち管理職が1万人)、グループ全体では30万人の社員がいる。他の部署と関わる時に、誰がKで誰がBであるかということが一発で共有出来ることは、年功序列を廃止し、その階級に実質的な意味がある日立においては、とても重要なことなのだ。

というわけで、中途社員を重んじる企業は、拝承記法を使っていきましょう。

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