ミス・マープルの名作「予告殺人」はひどく退屈な駄作

英語タイトル:A Murder is Announced

オススメ度: ★☆☆☆☆

この本を読み終わったのは実に昨年の10月だったのだが、 感想文を書くことがあまりに億劫で、先送りにしてしまった。 しかしずっと放置しておくのもどうかと思ったので、 そしてこうして3ヶ月経った今、完全自殺マニュアルシリーズも終わったということもあり、 ようやく書こうという気になった。 ただし、あまりに駄作であり、1時間も2時間も書けてがんばって書く気はない。 風呂にお湯が張られるまでの15分で書く。

どのくらい駄作か。 おれはこの小説を買ってから読み終わるまでに実に一ヶ月かかった。 日に数ページしか読む気が起きない時もある退屈な小説であったが、最後の最後、謎解き編になってようやくエンジンが かかってきてから数日で読み終わったため、ぎりぎり一ヶ月で読み終わったくらいだった。

買った時は楽しみだったのだ。 アガサ・クリスティの生み出した探偵のうちもっとも有名なものはエルキュール・ポワロ。 しかしそれと同じくらい有名なのはミス・マープル。 この「予告殺人」はミス・マープルシリーズのうちもっとも有名であり、評価されている小説なのだ。 ちなみにこのミス・マープルのモデルは、「アクロイド殺し」に出てきたシェパード医師の姉だと言われている。 パラレルワールドだろうから直接の繋がりはないが、事件に対する異常な嗅覚やおせっかいな点など は確かにミスシェパードその人である。

しかし結果、面白さは感じられなかった。 正確なトリックまではわからなかったが、犯人はなんとなく途中でわかってしまった。 そういう点でも、ポワロシリーズの超名作「アクロイド殺し」と肩を並べるには至らない。 また、ポワロシリーズでは物語にはいつもポワロが出てくるが、 この小説ではミス・マープルが出てくるのはたぶん1割に満たない。 いつも椅子に座って編み物をしているのだ。 捜査をするのは基本的に警察であり、ミス・マープルはたまに助言を求められたり、 場合によっては「あのおせっかいばあさん」と疎まれたりする。

このまま終わると完全に事故なので、さくっと物語の紹介をする。

物語はある小さな町での話である。 その町には、町の情報誌「ギャレット紙」があり、すべての住人は この情報誌を読むことを楽しみとしていた。

ある時のギャレット紙に、こんな広告が掲載されるところから話は始まる。 「金曜日の午後6時半からリトルパドックスで殺人ゲームを行います。興味のある方はお集まりください」

当日は、町の住人の10人くらいが外から集まった。 他には、その屋敷の主人や、召使いなどが参加した。 参加者たちは「おたくもお好きですなー」みたいなことをお互いに言い合って談笑していた。

その時突然、電気が消え、男の声で「手を上げろ!!!」という怒声が響き渡った。 参加者は全員ゲームだと思いこんでいるから「きゃーついにホールドアップが始まったわー♪こっわーい」 とテンションが上がり騒ぎ始めるが、その時明らかにガチな銃声が鳴り響き、参加者はその時、ゲームでないことを知る。 電気をつけた時、主人の耳からは流れ弾が当たったのか血が溢れており、 目の前にはなぜか犯人らしき男が腹から血を流して倒れている。

犯人はその時、振り返って帰る時に転び、銃が暴発して自分の腹を撃ってしまったものだと思われた。

しかし、物語が進むにつれて、実はその男は後ろから撃たれており、 実はあの暗闇の中、男の後ろに周り、男を撃った人間がいたということが明らかになる。

その犯人は一体誰なのか。

捜査に当たった若きクラドック警部は 「このばあさんに何が出来るんだろうか?」と心の底では思いながらも 老警視総監にされたミス・マープルに捜査協力を要請する。 ポワロの場合は世界的に名の知れた探偵という地位があるため、 どこにいっても丁重に対応してもらえるのであるが、ミス・マープルは 知る人ぞ知る探偵ばあさんくらいの設定なので、そうはいかない。

しかし、 ミス・マープルが参加したにも関わらず、 事件はそれだけでは終わらなかった。 二人目、三人目と口封じを目的とした殺人が起こる。

最後に、ミス・マープルは犯人を追い詰めるために、 一芝居を計画する。 そして(この小説の名誉のために言っておくと)暴かれた犯人、その真の正体、動機はたしかにこの小説を名作たらしめているのではあるが、 残念ながらそこに至るまでの過程、登場人物は無個性で全員同じに見えることもあり、 あまりに退屈なのである。

小説はあまりに耐えられないという人はAmazon Primeでビデオが見られるみたいだからどうぞ。

風呂に入ってきます。


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