当方京大卒だがグーグルアドセンスのBANをくらったので解説するわ

グーグルアドセンスのBANをくらい、ユーチューバーを廃業しました。また当然ながら、ブログからも広告が消えました。今回は、自分の経験を踏まえて、新しくブログを始める人が気をつけるべきことや、グーグルリスクに対する私の考えについて話します。

グーグルアドセンスとは

サイト運営をしていたり、ユーチューバーをしていないとグーグルアドセンスというのは聞き慣れない言葉かと思いますのではじめに説明します。

グーグルアドセンス (Google AdSense) というのは、グーグルのサービスを使ってマネタイズをするためのアカウントのことです。ここで、自分の名前・住所など個人情報を管理します。グーグルのサービスを使ってマネタイズする場合のすべてのやりとりは、ここで行われます。これは、一般にアドセンスというとブログの広告のことを意味する場合が多いですが、ユーチューバーの広告・スーパーチャット・メンバーシップなどの収益もここで一元管理されますし、モバイルアプリの広告プラットフォームであるAdmobの収益についてもここで管理されます。

グーグルアドセンスは個人ないしは法人に紐付けられます。つまり、個人としてサイト運営やユーチューバーをする場合、そのアカウントは自分そのものということになります。つまり、BANをくらうということは、グーグルのマネタイズシステムから自分という個人を排除されたことになります。

個人に結びついているため、一度BANされると、一度死んで生まれ変わらない限りは、新しいアカウントを作ることは出来ません。

結果として、一度BANされると、グーグルアドセンスのアカウントを再取得することは二度と出来ないということになります。そして、グーグルのいかなるサービスを使ってのマネタイズをすべて封じられてしまうことになります。

突然のBAN

2019年の8月7日のことになりますが、朝起きてスマホでメールチェックをすると、何かの間違いではないかと思うようなメールが届いていました。タイトルにはGoogle AdSense Account Disabledと書いてあります。明らかにヤバイニオイがします。

ほぅ・・・と言いながら開いてみると、

Hello,

With our advertising programs we strive to create an online ecosystem that benefits publishers, advertisers, and users. For this reason we sometimes have to take action against accounts that show behavior towards users or advertisers that may negatively impact how the ecosystem is perceived. In your case, we have detected invalid activity on your AdSense account and as a result it has been disabled.

We are limited in the amount of information we can provide about your specific violation. We understand that you may want more information about your account activity. However, in order to protect our proprietary detection systems, we are unable to provide further details.

と書いてあります。内容は、

  • てめえのサイトに無効なトラフィックが認められたからアカウントをBANした
  • しかし、その詳細は明かすことは出来ない。なぜならば、それを明かしてしまうと不正対策されてしまうかも知れないからだ

と読めます。(なにがHelloだ。悪魔か)

一応、Appealといって、「これは何かの間違いである」と主張する権利は認められているのですが、やってみたところ、やはりBANは覆りませんでした。

アドセンスのBANはどういう場合に起きるか

BANは大抵の場合、以下の2つが理由です。

無効なトラフィック

私の場合は、無効なトラフィックが検知されたためBANということでした。これはどういうことかというと

Definition of invalid traffic - AdSense Help

によると、

  • サイト運営者様が、ご自身のライブ広告をクリックしてクリック数やインプレッション数を増やすこと
  • 1 人以上のユーザーが繰り返しクリックして、クリック数やインプレッション数を増やすこと
  • サイト運営者様がご自身の広告でのクリックを誘導すること(例: 広告をクリックするようユーザーを誘導するあらゆる言葉、大量の偶発的クリックを誘発する広告掲載など)
  • 自動クリックツールやトラフィック ソース、ロボット、その他の不正な行為を行うソフトウェア

ということです。つまり、自分でクリックしたりページを見てもならない(インプレッションが増えるから)し、他者やそれこそロボットによって不正行為をされた場合もBANであるということです。

このBANの仕組みを悪用して、気に入らないサイトのアドセンスを潰そうとすることをアドセンス狩りといいます。これは、暇な人が何度も広告をクリックしたりすることで、無効なトラフィックを発生させBANさせるということです。

アドセンス狩りには、

  1. 広告用のコードを掲示板などにばらまき、不特定多数によって攻撃をする
  2. 一人が意図的に不正クリックをしまくる

の2つの手法がありますが、

このうち1については、「広告用コードとサイトドメインを結びつける」ことによってガードする仕組みがアドセンスに入っているので、現在は出来ません(昔は出来たようです)。

一方で、2の方については、サイト管理者が自分でやりなさいという方針のようです。手法としては、ワードプレスならば不正クリックをレートリミットするプラグインがあるようですが、はてなブログではどうなってるのかわかりません。アドセンスのために何かするということははてなとしてはモチベーションが低いと思うので、たぶん何もされていないと想像します。

アドセンス狩りでアドセンスを停止ないしはBANされた人は調べれば山ほど出てきますが、有名なところではイケハヤさんでしょう。

攻撃喰らってAdsense停止されたけど、「Fluct」使ってたから何とかセーフ|まだ仮想通貨持ってないの?

もしブログのアドセンスで稼ぐならば、ワードプレスで始めるべきだったかなと少し後悔しています。

悪質なコンテンツ

アドセンスがBANされるもう一つの理由は、コンテンツが悪質な場合です。

現在はブログのアドセンスを通過するのは相当難しくなっています。これは、コンテンツのチェックが厳しいためです。グーグルは、広告を貼って広告主からお金をもらうビジネスをしているため、出来るだけクリーンなサイトに広告を貼りたいと考えています。

そのため、ドラッグやポルノなどのネタは、アドセンスでは禁止されています。著作権違反にも厳しいです。

dankogaiという有名な方も、この理由でアドセンスのBANをくらっていたようです。この方は著名なエンジニアですが、原因を特定することは難しく、エロゲ関連だったと推定するにとどまっています。

404 Blog Not Found:AdSense破棄キター

無効なトラフィックについて思い当たる原因

私についていうと、まず思い当たるのは、自己インプレッションです。これは盲点でした。グーグルの広告はクリック保証型といって、クリックをしないと料金が発生しません。従って、クリックをしなければ自分のサイトをチェックするくらいは良いのだと思っていましたが、それすらも許されていなかったようです。これが無効なトラフィックと判断された可能性があります。

もう一つの可能性は、アンチによるアドセンス狩りだと思いますが、不正と思えるほどインプレッションが高くなることはなかったですし、CTR(クリック率のこと)も高くなかったです。

なので、正直にいうと、何が原因だったかはわかりませんでした。ただ、自己インプレッションすらも禁じられているということは、盲点ということもあり、共有する価値のある知見だと思います。

グーグルリスクとの付き合い方

グーグルリスクという言葉があります。これは、グーグルのサービスに依存してマネタイズを考えた場合、グーグルの気分一つで自分のビジネスが終了してしまうリスクのことです。実際に、アドセンスのBANというのは、グーグルの都合でいつ何時も出来るという規約になっています。アドセンスで収益を立てるブロガーやユーチューバーは常にグーグルに首根っこを掴まれていることになります。

しかし彼らの論理は、広告主に満足してもらうことがすべてなので、少しでも悪い要素があるならば切ってしまい、真に良質なコンテンツだけに広告を貼っていってそれで十分ということなのです。逆にアドセンスのBANをすることによって、コンテンツクリエータを引き締める効果すらあります。例えば、たまにランダムで1%のアドセンスをBANしたとしても、効果がありそうです。そのくらい彼らは、超上質なコンテンツにしか興味がありません。すでに十分に成熟して収益を上げているからこそ、安全運転に徹しているのです。

これが、最近になってアドセンスの承認が非常に困難になっていることの理由でもあり、ユーチューブが規制を厳しくしている理由でもあります。ユーチューブでは、ゲーム配信に広告がつかなくなるという話もありましたし、性別問わず上裸にも厳しくなりました。ユーチューバーの中には、BANにまではなってないけど、広告がつかなくなったという人も多いようです。ゲーム配信プラットフォームのTwitchや、インスタグラムなども規制を強化しています。

グーグルアドセンスの魅力は、単価が高いことと、自動なことです。ただ広告の設定をONにしておくだけで、あとはグーグルが自動的に広告を選んで、自動で貼ってくれます。しかし、一方で、いつ何時収益を失うかも知れないというリスクもあります。単価の高さでいうと、ここまで単価が高いクリック保証型広告は他に存在しません。

自分はYoutubeよりブログが向いてると思った理由

従って、このリスクをどこまで許容出来るかということになるのですが、私は、これで良かったのかなとポジティブに考えることにします。理由は、自分はYoutubeよりブログの方が向いてると思ったからです。私の他にもこういうタイプの人はいるでしょうし、参考になるだろうと思って、書きまとめます。

人気商売は自分に向かない

Youtubeは自分には向かないと思いました。Youtubeは人気商売です。私は人気商売には向きません。なぜならば頭が良すぎるからです。GAAラジオでは、私の言ってることが理解出来ないという声もありました。人気商売で成功する知能帯というのはIQ80-120と言われています。それを超えてしまうと、多くの視聴者には理解しづらさから不快に感じられてしまうし、受け入れられません。真に頭の良い芸能人はバカを演じているというのも同じ理由です。

逆に、ブログというのは、少なくとも文章を読むことが出来る人間が対象ですし、自分にとっては文章を書く技術の方が、他人と差をつけやすいと思います。長い文章をストレスなく読めるよう論理的に構築することがブログでは求められます。自分にとってはこちらの方が向くと思いますし、フェアだと思いました。

Youtubeは動画の内容を評価していない

2つ目の理由ですが、Youtubeが自分にとって向かない理由のもう1つとして、Youtubeは動画を自動的に解析して評価しているわけではないというがあります。ブログでは、記事自体をクローラが解析して、キーワードを抽出したり、ある程度自動的に記事を評価していますし、そういう意味では、真に質の高い記事を書き続けていればいつか報われると思えるのですが、Youtubeの場合は、現在の力関係がすべてで、初期の頃からやっていた人は面白くないコンテンツを作っても多くの人に見られるし(そしてYoutube内で上位表示されてさらに見られる)、今から始めるのはかなりきついと思います。私のラジオで1000近い視聴をとれたのは、時事ネタだけでした。

ブログでも、ドメインパワーという似たような要素はあるのですが、比較的、記事のクオリティが評価されやすいといえます。実際に、良質なネタを力を入れて書けば、時間はかかりますが、必ずグーグルは評価します。そして、ドメインパワーに還元されます。しかし、Youtubeでは、バズるかバズらないかです。だから、規制ぎりぎりの過激なことやったり、流行りのネタに食いついたりして、結局みんな同じようになるという現象が起きています。

ブログは積み重ねが要素が強い

ブログの主な流入は検索です。これはYoutubeの主な流入が現在の登録者によるものと比べると異なる点といえます。ブログでは、良質なコンテンツを書くことが出来れば、それは長期間に渡って流入が続きますし、流入があることによってさらに検索順位が上がるという好循環が生まれます。一方でYoutubeは、最新のコンテンツが最大で、過去のものが検索されて見られるということは、稀だと思います。私のYoutubeでは、エイムについて語った本質的な動画などは過去のものも見られ続けていますが、ゲーム動画やラジオ動画は、最新のものが支配的です。

アドセンスBANに震えながら記事を書く必要がなくなる

ブログにアドセンス広告を貼っていると、出来るだけ無難に記事を書こうとします。これは良いストレスではあります。そして、それはグーグルの「規約を厳しくしてコンテンツのクオリティを上げる」という思惑どおりでもあります。しかし、たまに、アドセンスの規約に引っかかるか引っかからないかわからないことがあり、そういう場合に安全サイドに振らないといけないということが起こります。これは悪いストレスです。

アドセンスを使わないのであれば、制約は弱くなります。これは、単に記事のクオリティを上げるということだけを考えれば、有利なことだといえます。

まとめ

グーグルアドセンスがBANされた件について、その経緯や原因について話しました。そして、今回BANされたことをポジティブに考える要因として、自分にとってはブログの方が向いてるからこちらに集中出来るようになったのは良いことだという話もしました。

YoutubeではGAAラジオという雑談ラジオをやっていましたが、自分の意見を声を通じて多数の視聴者に届けられるメディアを持つということが目標でしたが叶いませんでした。Youtubeではマネタイズの方法がアドセンスしか存在しないからです。

一方で、ブログにおけるマネタイズはアドセンスに限りません。アクセス数が増えればアフィリエイトなどでしっかり稼ぐことも出来ると思いますし、広告ネットワークはグーグル以外にも存在します。もちろん、SEOアルゴリズムの変更によってダメージを受けるということはあると思いますが、それはYoutubeの規約強化なども同様ですし、変更によって有利になる場合もあるのですから、一概に欠点とも言い難いです。

というわけで今後はブログを中心にがんばっていこうかと思います。今後もテストステ論をよろしくお願いします。

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