二酸化炭素への耐性を高めるトレーニング

「ボーア効果」血中の二酸化炭素濃度を増やして健康になろう

で、ボーア効果について話した。 ボーア効果というのは、 血中酸素が遊離する割合が 血中の二酸化炭素濃度に依存するという現象のことだ。 酸素が血中から遊離しなければ、 それが細胞に取り込まれることはないので、 血中酸素濃度がいくら高かろうが無意味ということになる。 それどころか、逆に酸素あまりを起こし、 酸化を招く。これは、血管の寿命を縮める。

今、ある人が過呼吸であったとする。 なぜ彼は過呼吸なのであろうか。 それは、息苦しいからだ。 なぜ息苦しいのだろうか? それは、酸素が遊離していないからだ。 その結果、過呼吸になる。 過呼吸になると、二酸化炭素の過剰な放出を招く。 すると余計に苦しくなり、過呼吸はどんどん悪化していく。 これは、悪いフィードバックだ。

同様の理屈から、深呼吸も害だ。 深呼吸は過呼吸の一種だからだ。

現代人は多大なストレスに晒されている。 ため息も多くなりがちだ。 結果、二酸化炭素を失い、息苦しくなる。

すべてを解決する唯一の方法は、 平常時における血中二酸化炭素濃度を高めることだ。 そうすれば、呼吸をする必要は減り、 二酸化炭素を過剰に放出することはなくなり、 血中の二酸化炭素濃度は常に高く保たれる。 さきほど挙げた過呼吸の例とは逆の、良いフィードバックが生まれる。

どうすればよいのか? 二酸化炭素に対して強くなることだ。 簡単にいうと、息を長く止めていても苦しくならないようにすればいい。 オウム真理教の修行を思い出そう。

しかし、オウム真理教に入る必要はない。 息を止めるトレーニングをすれば良いからだ。

おれがやってることは何か。 おれは2つのトレーニングをしている。

1つ目は、 おれは今減量中で、トレッドミルの上で歩くことが多いのだが、 この最中に行う。 傾斜5度、速度5km/hのトレッドミルの上で、 x分58秒の時点で、息を深く吐き出す。 その状態で息を止め、歩き続ける。 10秒もすれば息苦しくなる。しかし、もう少し頑張ってみる。 15秒も行けば良い方だろう。 これをインターバルトレーニングとして10セット繰り返す。 注意点としては、これをやると身体は酸欠になり、 全身に恐ろしい疲労感がやってくる。 転ばぬことだ。 このトレーニングは、30分のウォーキングのうち序盤に行う。 なぜかというと、息を止めて身体を追い込むと、それだけで身体が発熱し、 脂肪燃焼に有利になるからだ。 これは、無酸素運動のあとに有酸素をすると効率的なのと同じ理屈だ。

2つ目は、自宅で行うより高強度のトレーニングだ。 まず、鼻を鼻栓で密閉する。 反射的に鼻から呼吸することを拒絶するためだ。 口は意識的に閉じることは出来るが、鼻にこの機能はない。 この状態でケトルベルを両手に持ち、ぶんぶんと適当に振り回す。 そうすると、筋肉は恐ろしい勢いで酸素を消費していく。 やがて、酸欠になるが、別に自宅でならば倒れても構わないだろう。 だから、頭がおかしくなるまで追い込むことが出来る。

こうしたトレーニングを続けていけば、 やがて脳は、二酸化炭素に対する耐性を高める。 すると、息苦しさとは無縁になり、 常に脳は万全の状態になる。 身体中に高濃度の酸素が行き渡り、身体の回復力は高まる。 当然、スポーツにおいても競技能力の向上に繋がるだろう。 おれは、減量中にも関わらずなぜかデッドリフトの重量が上がる という不思議な体験をした。

二酸化炭素ほど誤解されているかわいそう気体はない。 二酸化炭素は身体にとって害だから深呼吸をして身体を酸素で満たしましょう。 二酸化炭素は温暖化の原因だから、二酸化炭素を減らしましょう。 全部嘘だ。むしろ二酸化炭素ほど人間にとって重要な気体はない。 二酸化炭素はともだちだ。

ちなみに、アーナンダの記録は5分30秒。 彼が修行の結果、二酸化炭素への高い耐性を獲得していたことがわかる。 我々は修行が足りない。

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