英検一級の一次試験を引っ越しの片手間にボコした

2023年3回の英検一級一次試験に一発合格したため、 それを記録しておきたい。

計画

10月3日にエンプティノーズの手術をし、 1週間ほど経った頃、 鼻閉の改善にかなり希望が持てると感じた。 真皮脂肪の吸収は正確な予測が難しいが、 先生への信頼も加味すると、イケるんじゃないかという感覚があった。 感覚的には、エンプティノーズによって2割程度まで抑圧されていた脳力が、 その時点で5割くらいまでは戻ったのではないかと感じた。

この時点で、一つの大きな計画を思いついた。

英検一級の取得である。 高3で準一級をとってからもう20年になるが、 準一級と一級にはかなりのギャップがあり、 そう簡単にはとれないと思っていたが、 今ならば余裕なのではないかという公算があった。

英検一級は真の最難関試験ではないが、 それなりに難しい試験である。 受験者は、準一級レベルの英語力を兼ね備えているのは当然として、 ほとんどの場合はTOEIC900点程度はとっている。 現実的には、TOEICは900程度だとかなり厳しく、 950くらいあるとそれなりに余裕があるというレベル感のようだ。 そうした日本人としては最高レベルに英語が得意な人たちが受けて、 10パーセントしか受からない試験であるから、 それなりに難関と言ってよいだろう。

おれはというと、 日立に新卒入社したときに受けたTOEIC IPというテストのスコアが 895点だったが、これは尿意コントロールに失敗して読解パートが 適当になってしまったからであり、 尿意コントロールがまともならば900前半は行ってたと思う。 それからも多少は英語能力が伸びてるだろうから、 鼻閉の改善と合わせるならば、 英検一級一次突破はそう無理ではないかなという計算になる。 徹底的に対策をすれば余裕、適当でも勝負には出来るという形勢だろう。

試験対策

徹底的に英検一級マシンになり、合格を勝ち取ったところでそれには大した意味はない。 むしろ、英検一級を目標にして英語の基礎力を高めることこそが本質であり、 これを英語学習の最後とするというつもりで取り組むべきだというのがおれの考えであった。

おれはそもそも英語の勉強を本格的にやったことがない。 麻布中学では進学校向けの英語教材プログレスが使われており、 外国人教員もNHKラジオ英会話の先生だったりと比較的良い環境だったため、 本格的に勉強してないという表現は嘘になるのかもしれないが、 独学という観点ではきちんと英語学習をした覚えはなく、 多読と多聴しかやってこなかった。 多読は、高校のときから英語雑誌や洋書を読んでいたし、 多聴は、リスニングマラソンをやったことがあるのと、微妙にしかわからないなりに アニメを英語で見るとかをやっていた。 大学受験でも、英語を勉強したことはない。 準一級も、単語だけ覚えたら合格した。 だから、この機会にちゃんと英語の基礎を勉強したいという思いがあった。 一応、流行りのリラーニングということになるだろうか。 ちなみに、京大の英語クラスはあまりに簡単で眠くなって寝ていたら、先生に名指しでブチ切れられ、 出ていけと言われたので出ていったきり二度と講義に出なかったが、試験が良かったのか単位は来た。

このため、10月の中旬に英検一級向けの通信講座を購入した。 試験まで3ヶ月あるため、3ヶ月コースであればなんとかやり切ることが出来るだろうと思った。 それと、おれはパス単で勉強しても身につかないという考えなので、文単を買った。 通信講座には文法に関する説明などもあり、自分にとっては新鮮だった。 英語教育の学位を持った人が作ってるようだ。

それと同時に引っ越しの準備も始めたことと、例の高専専攻禍の影響で英語学習は全く進まず、 12月に入ったあたりで3ヶ月コースのうち1ヶ月しか進んでないことに絶望し、 方針を切り替えた。 残り2ヶ月もない時間の中で最大効率で英検一級を突破を目指すことにした。

高専専攻禍については、おれの最近の記事を見ていればわかるだろう。

まず、通信講座は捨てた。 このままでは本番で勝負にならないと思ったからである。 これを続けていけば英語力は確実に高まると確信出来たが、 おそらく英検一級には間に合わない。 文単は捨てなかったが、文単では英検一級の語彙問題に対応することは難しいという説があり、 語彙問題対策としては専門の単語本をやるしかないということだったので、 泣く泣くパス単を買った。 これでしばらくパス単と文単を毎日進めて、一ヶ月前から 30日間完成コースみたいな本で形式対策をすれば、 勝負形には持っていけるだろうという形勢判断をした。

  • 語彙で赤点をとらないようにする(最低でも15/25は死守)
  • 読解は満点を狙う
  • リスニングは自分の地力を信じる
  • ライティングも自分の地力を信じる

そしてクリスマス前に英検一級集中ゼミという本を買って、 それからまもなくして、このままだと英作文対策が明らかに不足すると感じて ジャパンタイムズの英作文対策を買った。

12月26日に引っ越しをし、正月あたりはかなり忙しかったが、 正月あたりから英単語の復習を始めることが出来、 パス単と文単をなんとか一周は復習し、 これで定着することを祈ることにした。 復習を0回と1回では雲泥の差であり、どうにかして1回は復習しなければ話にならなかったため、 最後の方は寝る前に一日3時間くらいは英語をやっていた。 前日にやった集中ゼミの模擬テストはR65%L70%くらいの出来で、 本番の集中力も加味すれば、ギリ勝負にはなるだろうというところまで持っていけた。

結果

試験当日は尿意コントロールに成功し、 持ってる力は出すことが出来た。

試験における尿意コントロールの極意

結果は、

  • R31/41 語彙17/25、読解14/16
  • L20/27
  • W26/32

RLの点数が比較的良かったため、 Wがずっこけなければ受かってるだろうとは思ってたが、 Wもかなり取れていた。

ライティングは、色々ひっくるめても書いて練習したのが 10題くらいだと思う。 平均的な受験者からするとずいぶん少ないが、それなりに点数が入ってきてるのは、 おれ自身がテストステ論を日常的に書いていて、論理的な文章を書くこと自体が得意というのが大きいと思う。 あと、英語を書くこともオープンソースをやる上ではかなりやってきた。

内容としては、「人間の問題を解決するために科学に頼ることは良いことか?」というものだったが、 質問が曖昧なこと(「人間の問題」とは何だろうか?「良い」とは何だろうか?)はさておき、 素直に「科学には負の側面(原爆とか)もあるが、人間の生活をこれまでも豊かにしてきた。 よってこれからも科学に頼っていくことが善であることは疑いようがない」 という主張で書いた。

ボディは、

  1. 科学の進歩が人間の生活を豊かにしてきた。例えば、計算機科学は新しいタイプの科学であるが、我々の生活はこれなしでは成り立たなくなっている。
  2. 科学によって我々は健康でいられ、安心して暮らすことが出来る。例えば、コロナウイルスに対してmRNA技術を応用したワクチンが即座に開発され、我々は即座にノーマルに戻ることが出来た。
  3. 電気はもっとも偉大な発明の一つである。もし電気がなかったら、いかなる技術も発展しなかった。原子力発電には多くの問題があるが、技術の進歩によってこれらの問題は解決されるだろう。

的なことを書いた。もちろん、2は嘘である。 こういうところでしれっと優等生解答を書けるところが、実におれらしい。

二次に向けて

合格発表があってからすでに一週間経ってしまったが、住居の騒音問題があり、あまり対策が出来ていない。

方針としては一次同様、 英検一級マシンになって二次を受かるというよりは、 そもそも英語のディスカッション能力を高めることを主眼として対策したい。

おれは英語を話すことが決して苦手というわけではないのと、 発音もまぁまぁいいので 今回ポンと受かってしまう可能性はあるが、 仮に受かったとしても、英語力を本質的に高める鍛錬は続けていく。 英単語にしても、 英英単語上級英英単語超上級 を試験後から少しずつ続けている。

二次に関しては、 英作文の学習と似たようなところがあり、 ジャパンタイムズの本のほかに、 植田一三さんの本をやろうと思っている。

試験日はおそらく3/3だろうからあと二週間ちょっとある。 これらを一気にやって、もしかしたら形式慣れのためにネットの面接対策なども何回かやって、 それでどうかなというところまで持っていくつもりだ。

まぁ、5分5分ではないだろうか。 良いネタを引けば勝負にはなるだろう。 頼むよ。

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