京大式文章の書き方講座「語順に注意」

昨日、面白いツイートを見た。

100メートルの元日本記録保持者、朝原宣治のツイートだ。

木村淳というのは去年引退した陸上選手で、 朝原が所属する大阪ガスに所属していた選手だったため、 元部下であると言ってるのだが、語順が面白い。

「元、自慢の部下です」

と言っている。しかし、 仮にこう書いたらどうだろうか。

「自慢の元部下です」

印象がまるで違うだろう。 これだと、(自慢の(元部下))と読める。 この元部下を友人とでも置き換えると、自慢の友人となる。 つまり、今でも自慢ということが間違いなく読み取れる。

しかし元の文では、 (元(自慢の部下))と読める。 これだと、今は軽蔑してるかも知れない。

このように、日本語は語順によって読み手に与える情報がまるで変わってしまう 言語だ。だから、語順には注意しなければいけない。

もちろん朝原はこういったことも理解した上で、この語順を選んでいるのだろう。 だからわざわざ「元、」と読点をつけて強調しているというわけだ。 ここから、朝原と木村の関係が深いものであることがわかる。 なぜならば、朝原の語順では「今は軽蔑してます」と読めてしまうだろうが、 そんなわけがないということを敢えていうまでもない関係性がここから読み取れるからだ。

日本語というのは大変深く、こんな短い文章からここまで読めてしまう。 まさに最難関の言語だ。

おれが他人の文章を読み、誤りを発見する中でもっとも多いのがこの語順問題だ。 日本語では、語順が誤っていると文章を正しく読み取ることが出来なくなるため、 コミュニケーションが成立しなくなる。

多くの人は、陰キャなる人種をコミュ障と呼ぶだろうが、 実のところ、コミュニケーション障害とは文字通りコミュニケーションをする能力がないことだ。 おれは今まで何度か仕事を辞めているが、 うち一回の真の理由は、「同僚がコミュ障だったから」だ。 リモートワーク中心の職場では、文章能力がないことは致命的な欠陥となる。

みなさんは気をつけるといい。 と、言いたいところだが、気をつけてすぐに治るようなものではない。 しかし大切なことは、日本語は文章の並びによって意味がまるで変わってしまうということを理解することであり、 それを日々気をつけることだ。

まだ小学生ならば、中学受験をするのも良い。 おれなどは、麻布中学の難関国語を突破するために、下手な文章を書いた時には 時には木刀で殴られ、時には腕をアイスピックで突かれ、泣きながら上達したものだ。

日本語には他にもルールがある。 ミスを犯しにくくする書き方も存在する。 そういったものを知りたければ、オススメの本があるから買って読むといい。

最後に問題を出す。

  1. 私はとても頭がいいです
  2. 私は頭がとてもいいです
  3. とても私は頭がいいです

これらはどちらが正しいだろうか。理由も考えてほしい。

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