東大文1首席が落ちた謎の中学「麻布」

少し前に「トヨタが頼った謎のAI半導体メーカー」という記事が話題になった。 このメーカーというのがNVIDIAという会社であり、謎でも何でもないというのでネタ記事呼ばわりされたわけだが、 この記事のタイトルはそれを堂々とパクった。

おれは麻布出身なので、麻布の偏差値が出来るだけ高くなればよいなと思っているのだが、 麻布の偏差値を上げる方法は概ね2つある。

  1. 優れたOBを輩出すること
  2. 不合格者が有名になること

今回の記事で取り上げるのはこのうち後者となる。

佐藤寛司(栄東)

佐藤寛司というのは、昔さんまの東大生特集に出てた男で、 栄東出身であり、ディズニーランドに行きながらもレストランで勉強をしていたなどと語る ザ・栄東的なつまらない男なのだが、 この男が有名なのは東大文1を首席合格したからだ。

さんま以降見たことがなかったが、 最近はユーチューブに出てるらしい。 この番組は冒頭の「ブルーベリー???」 が何と言ってるか何度聞いてもよくわからないのが、 今回は、佐藤くんをゲストに迎えて中学受験から今までを語ってもらう回だった。

見てみると、佐藤くんはどうやら麻布中学に落ちたらしい。 嬉しくなっちゃった。(ルシ風)

麻布の受験生の中には、 地頭が良いからなんとなく力試しに受けてみようと思ってやっぱり落ちてしまう子もいるらしいのだが、 そういう事情ではなく、小4からガッツリSAPIXに通ってガッツリ落ちている。 つまり、本気で受けて、本気で落ちたパターンだ。

それで、滑り止めで受けた栄東(たぶん東大クラス)に進学したというわけだ。

n=1ではあるが、事実として麻布合格 > 東大文1首席合格が成り立ってしまったのだから、 これは麻布の偏差値に大いに貢献する。ありがとう佐藤くん。

将来的に東大文1に首席合格するような人間が麻布中学に落ちるというのはさすがに信じられない (麻布は国社が得意な子も受かりやすい学校だ) が、本人が言ってるのだから事実で間違いない。 麻布中学は地頭がとても重要な学校なので、ただの勉強マシンは落ちてしまうことがある。 佐藤くんが「おれは天才じゃない」というのは、東大の同級生と比較してということもあるだろうが、 そういう意味もあると思われる。

ヒカルの碁という漫画の中で、塔矢アキラというキャラクターが囲碁名人である父の塔矢行洋に対して 「僕は囲碁の才能があるかな?」と聞いてる場面がある。 これに対して塔矢行洋は「囲碁の才能があるかはわからないが、努力する才能は誰よりもある」 と答えているのだが、佐藤くんはまさに塔矢アキラのような人間だ。 恐ろしいプライドと圧倒的な努力で東大文1首席合格を果たした。 そのプライドの現れだろうが、かなり筋トレもしているようだ。テストステロンがまぁまぁ高い男だ。

河野玄斗(聖光)

ここぞとばかりにもう麻布の偏差値をもう少し上げることを考えよう。

神脳の河野玄斗も同様に中学受験をして、聖光中学に進んだのが、 本命校には落ちたと言っている。 そして、この本命校がどこだったか、1日目はどこを受けて落ちたのかは どこでも語られていない。

だが実は、おれは河野玄斗は1日目に麻布を受けたと読んでいる。 3日目は筑駒だろう。

まず、当時河野玄斗は日野に住んでいて、最寄りから聖光に通うのはかなり遠い。 引っ越したという可能性もあるが、現在も母親はECCジュニアを日野でやっており、 おそらくここが現在も実家と思われる。(ECCは自宅でやる場合が多いため)

日野から通うと考えていたとして、 最寄りから見て、 麻布の最寄りの広尾も 開成の最寄りの西日暮里も1時間半くらいだから ぎりぎり通学圏内、つまりこれによってどちらか決めることは出来ない。

ではなぜ麻布だと思ってるのだろうか?

おれがもし河野玄斗の立場であって、 開成に落ちたのであれば、開成に落ちたと言うと思うからだ。 なぜかというと、開成も聖光も問題の傾向は似ており(SAPIXの分類ではAタイプと呼ばれる)、 聖光に受かったけど、開成に落ちるというのはさほど恥じることではないからだ。 彼の神脳ブランドも傷つけることはないだろう。 ただの勉強不足だったで済まされるから。

だが、麻布に落ちたとなったらどうだろうか。 麻布は、偏差値表の上では当時から聖光より下だ。 しかし、麻布の入試はメディアでも度々論理的思考力重視の入試として取り上げられることがある。

河野玄斗の立場になって考えた時、自分は麻布に落ちたといえるだろうか? もし、麻布に落ちたということになれば、地頭が悪いけど猛烈に努力しただけの人ということになってしまうのだ。 それは、神脳という彼のブランドが大いに傷つくことになる。 だから、言えないのだ。 佐藤くんは神脳を売りにしてるわけではないから、麻布に落ちたと言える。 しかし、河野玄斗はあくまで天才でなければいけないというわけである。

ブルーベリー野郎は、河野玄斗を救ってやってほしい。

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