民事訴訟を学ぼうよ

何か物事を学ぶ時、一番良い方法はまず全体像を知ることである。 各項目がどのように関係しているかとか、 そういうことを知っていると、それぞれの項目を詳しく学ぶ時にも 知識がより「有機的」になるという仕組みである。 だから、勉強が得意な人の中には、 まずは参考書を短時間でとにかく全部読むというという方法をとる人もいる。 「まずは一周目を素早く終わらせろ」と言われるのはこのためだ。

検索エンジンやAIの発達により、本は無意味になったという人がいる。 事実、町の本屋はどんどん潰れているが、これはアマゾンの影響だけではないように思う。 そもそも人が本を読まなくなっているというのもあるだろう。

そういう状況にあってなお、おれはよく出来た入門書には一定の価値があると信じている。 なぜかというと、検索エンジンやAIと言ったツールは、 調べたいことがわかっていて、それを詳しく調査するには便利なのだが、 本当の初学者が一体どこから手をつけていいのかわからないという場合には不便だからだ。 情報可視化にも、”Overview first, zoom and filter, details on demand”という格言がある。 何か情報を得る時の一般論として、 全体像を見るということが重要視されているということだ。

おれは最近、 民事訴訟(とりわけ、SLAPP訴訟やそれを防ぐ仕組み。なんとなく、PoWによるスパムフィルターと話が似てないか?と思ってる) というものについて興味を持っているが、 以下のレビューに自身の勉強観に通ずる強い納得感があったので、 入門書として「民事裁判入門 裁判官は何を見ているのか (講談社現代新書)」という本を選んだ。 上に述べたように、 「有機的な全体像」を得られるというのは、入門書にとってもっとも重要な性質である。

他にも民事訴訟関連の本は色々と読んだのだが、民事訴訟の仕組みとか ルールそのものについて書いてあるものは多いものの、 全体像のようなものについて触れてる概論的なものは実は少なく、雑学的な読み物としても面白かった。

民事訴訟に入門したいという人はよほど変わってるかも知れないが、 おれは税金や訴訟も、どちらも嫌なものとして避けられる傾向にあり、 結果としてそれがどういうものなのかも知らない人が日本人には多いように思うが、 誰しもいつ何時訴えられるかわからないわけだし、民事訴訟について知っておくのも面白いのではないだろうか。

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