次世代キューブはMaglev搭載

スポーツの世界では、道具の進化によって急激に記録が伸びることがある。

例えば最近ではナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」。 世界最速はついに、非公式レースながら2時間を切るに至った。 通常のレースでも2時間3分台ならもはや珍しくない。

その前で革命的だったのはレーザーレーサー。 浮力を増すピチピチスーツだが、 これを着た水泳選手が世界記録を連発し、こちらはやがて禁止された。

今やF1やMotoGPも電子制御だらけで、 以前より安全で、しかも速くなっている。

スピードキューブの世界も例外ではない。 ルービックキューブというと、みなさんが想像するのはきっとこんなやつだろう。

おれも病院かどっかの待合室に置いてあったのを触ったことだけはあるが、 相当硬かったイメージがある。 回すことがそもそも苦痛なのに、あれを解いてみようと思う人がいたことが驚きだ。

しかし現代の競技用ルービックキューブはまるで異なるものだ。 今、競技用で使われているキューブはすべて、キューブのピースに弱い磁石が埋め込まれている。 これによって、回転はピタッと止まるようになり、次のムーブへの引っ掛かりが軽減される。 また、仮に引っかかっている場合でも面を回転出来るように、キューブの軸が少しだけ緩く作られている。 これをコーナーカットという。どのキューブでも大体30度のズレならば余裕で、45度でも行けるものもある。

こうして、競技者がソルブに集中出来るようにしているのだ。 日々の研究開発の賜物だ。

しかし、どの分野でも今や同じかも知れないが、 ルービックキューブの研究開発を行っているのはすべて中国のメーカーだ。

囲碁もそうだが、中国は天才が得意なことを極限まで伸ばせる国だ。 数学でも情報でも、中国は層が厚く、頂点も高い。 陸上でもウェイトリフティングでも、頂点人材は国から最高のサポートを受けて、 限界まで才能を伸ばし切ることが出来る。 蘇炳添も劉翔もLyu Xiajunも、日本では生まれなかった。 中国は外から見てるとひどい国に見えるが、少なくとも天才にとっては非常に生きやすい国なのではないかと思う。 日本の優秀な研究者が中国に行ってしまうと嘆くニュースを聞くが、 研究以外の世界を見るだけでも、それは当然に思う。

ルービックキューブも、中国は層が厚い。 10歳にも満たない子供が小さな手で、キューブを信じられない勢いで回していく。 それで、失敗しても8秒やそこらで解いてしまう。 今はまだ、欧米の選手が世界トップだが、そのうちトップレベルは中国の選手だらけになるだろう。 その神童たちの能力を最大限に引き出すために、ルービックキューブも進化していく。

トップメーカーのGANの次の製品は、Maglevという機構を持つ。 Maglevというのは、キューブの中にベアリングの代わりに反発した磁石を入れることによって、 ちょうどリニアモーターカーのように摩擦のない回転を実現するものだ。

キューブは今でも十分に回しやすく、 2008年の世界記録が10秒弱で、2018年の世界記録が4.22ということなので、 解法の改善も多少はあるにせよ、やはりキューブの回転速度が上がったことが主要因ではないかと思う。

それがMaglevによってさらに速くなる可能性がある。 今現在でも世界のトップ層は4秒台の記録を持つが、これが3秒台の戦いに突入する可能性がある。 先行レビュー動画では、Maglevは今までのキューブとは違って速く回りすぎるが、 これをうまくコントロール出来るようになればすごい記録になりそうだというものが多かった。

おれは全くそんなには速く回せないが、 スピードキューブのファンとしてはMaglevに注目しているし、 おそらく価格は1万円ほどになるだろうが、おれも買うつもりだ。 マニーください。