吉本岡本社長の会見でみられた一般にはアリエナイ2つのこと

2019年7月20日に起こった「宮迫田村の乱」の二日後の今日、吉本興業社長の岡本昭彦が会見を開いたわけですが、見ていたほとんどの人はその会見のぐだぐださにげんなりしたことと思います。その理由は、

  • 質疑応答にきちんと答えていない。誤魔化そうとしている
  • 「自身の至らぬところです」で包んで終わらそうとしている

というところが目立ったからだと思います。

あの会見では他にも、

  • 亮の発言に対して錯乱していたことにしようとした
  • ギャラの搾取について平均という曖昧な数値を出した。何についての平均なのかもわからなかった。仮に金額なのだとしたら、トップの方が5割ならば、下が全員1割だとしても、全体としては5割になるでしょう
  • 宮迫と田村の主張する事実に誤りがあるかという問いに対して「認識の違い」で済まそうとした
  • 会見するなら全員連帯責任でやめさせるという発言については「冗談だった」ことにしようとした
  • 反社から金を受け取ったり反社とつながりがあることが宮迫契約解除の理由だと説明しているのに、宮迫の会見を見て「辛い気持ちにさせていたことを反省した」という謎の理由で契約解除を取り消しにした。お気持ち理論は筋違いです

など、一般的に考えるとわけのわからないことが起こりすぎて5時間全部見るのはかなり辛かったのですが、とはいえここらへんの話はお笑いという業界の理解も必要かも知れませんし、吉本と宮迫田村の中での話であって真実はわからないのですから、とりあえずこの記事では一般論にだけ踏み入って、上の2点について、岡本社長を反面教師にしようと思います。

質疑応答の悪い点

質問にダイレクトに答えていない

岡本社長の質疑応答の仕方には明らかにまずい点があります。それは、質問に対してダイレクトに答えようとしていないところです。

よく、話し始める時に「結論からいうと」から始める人がいて、それが良いと会社で指導されて、その理由をしっかりと咀嚼しきれていないからだと思いますが、これについてはケースバイケースで、そうしない方が良い場合もあります。

しかし一方で、質問に対して答えるという時には、まず始めに質問に対して答える必要があります。それも、同じ型で答える必要があります。

例えば、YesかNoで聞かれているならば、YesかNo以外に回答はありません。理由を聞かれているのであれば「〜だからです」以外に形はありません。もちろん、回答のあとに何か説明を続けることは良いと思いますが、順番が前後することは許されません。これについては、記者から失笑が漏れるほど常識的な作法であり、それが満たされていない人間をトップに立てている吉本興業は大変恥ずかしい企業だと感じました。

代名詞・多義語を多用している

回答をあやふやにするためか、そもそもそういう話し方をする人なのか知りませんが、代名詞の多用が目立ちました。例えば、「そういう」です。代名詞を多用することは、文章においても、文意を曖昧にするため良くないことです。

言うまでもなく、あのように事実関係を明らかにすることを目的とする会見においては、自明な場合以外では使うべきではありません。私は、岡本社長が何を言ってるのかわからないことがありました。これは、論理的にわかりづらいというのもありますが、そもそも「それ」や「あれ」が何を指しているのかわからないというケースがあったからです。「ということ」「というのがある」というのも目立ちました。どのことなんだ?とはてなマークが頭に浮かんだものです。

とにかく今この状況を逃げ切ることに必死で、その答えが出来るだけ回答を曖昧にするということだったとして、彼なりに考えた手法が、代名詞の多用だったのかも知れません。

もう1つ指摘したいのは、多義語の多用です。これはチャット欄でも指摘させていましたが、「やりにいく」など一般的には用いられない用語であり、とても大企業の社長の使う単語ではないです。上で挙げた「ある」という言葉の多用も踏まえると、「やる」と「ある」で会話するレベルの人間という印象を持ちました。英語でいうと、doとbeだけで会話していると考えればいかにひどいかがわかると思います。

降伏と謝罪を混同してる

「謝ってるんだから許してあげなよ」という言葉がありますが、謝ることと許すことは別問題だと考えます。

しかし、これを「降伏している人間に対してそれ以上手を出すのはよくない」とすれば、理解出来ます。

この2つを混同しているタイプの人間が社会にはいて、岡本社長もその一人だと思いました。

「自分は弱い人間なんです」「自分はいたらない人間なんです」と下に出れば、それ以上攻撃されないと思っているから、このフレーズを多用して謝罪しているふりをします。

しかし謝罪は単に悪い点を認めることであって、降伏とは別問題です。

この手の人間はやっかいです。例えば議論と喧嘩の違いがわかりません。議論が平行線と思って手を引くと、「おい逃げるのか」と始まります。つまり彼らにとっては議論という概念は理解出来ず、相手が折れて降伏することが議論で勝つということであるということです。そういう世界で生きているから、こういう重要な場面で降伏という選択をとります。なぜかというと、それが彼らの世界では、視聴者や記者たちが一番納得する方法だと信じられているからです。

まとめ

今回は、岡本社長の会見に見られたおかしな点について、事実内容以外の部分を指摘しました。

みなさんが、岡本社長の悪いところから学んで、自身の改善に結びつけていただければ良いと思います。

なお、岡本社長についてですが、私自身も吉本のお笑い番組は小さい時から好きで見ていた一人であり、松本人志の遺書なども読んだ人間です。

日本のお笑いは世界のお笑いのようなものから比べても、遥かにレベルが高く、「お笑い芸人ってめちゃくちゃ頭いいよな」という話を母校の麻布高校でしたこともあります。このように優れたものが、日本のアニメと並んで世界に誇れるコンテンツが、岡本昭彦が社長をすることによって少しでも萎縮してしまうのであれば、その罪は大きく、早急に退場いただくべきと、個人的には思います。

まるで不毛地帯の大門社長を見ているかのようでした。

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