【大学受験】浪人生は大数学コンをやるべきではない理由

残念ながら昨年の受験に失敗して、浪人して志望の大学に行くぞという人が、数学という教科についてどう考えるべきか話します。 これは予備校などでも語られない、非常に重要な話です。浪人生は全員読んでください。

おれは、 【大学受験】大数学コン55点から3ヶ月で名前を載せた最強の数学勉強法 に書いたように、 京大を目指すことにした二浪時代には大数をやっていて、 学コンでも名前を載せていました。 英語はすでに準一級をとっているレベルだったのでやることがなく、一年を通してほとんどは数学と物理しかやりませんでした。 (京大の入試前になって慌てて化学をやり始めました)

名前を載せるというのはまぐれでは出来ないことで、どんなに悪くても9割はとれるというレベルでないと一生届きません。 おれもほとんどの回で150点中140点はとれて、たまたまその一回で「満点じゃなくても名前が載る回だったため」名前が載りました。 学コンの問題は、東大や京大の問題に比べても難しいと言われますが、その中で満点が基本という世界です。 当然、本番の試験では6完中5完とかそういうレベルの得点が狙える地力はあったわけであり、 実際、試験が終わったあとに考えてみるとどう考えても満点がとれたセットだったと思います。 簡単な年だったのです。おそらく合格者はだいたい、250点中180点くらいはとっていたのではないでしょうか。

しかし実際は0完だったのです。他の科目で挽回して一気に追い込んだものの、0.58点足りませんでした。 後期で合格したので結果としてはこうやって生きながらえていますが、そのまま落ちていたら死んでいました。 こういうことがあるのが、受験なのです。

なぜ0完太陽をかましてしまったかというと、メンタルの問題です。 おれは試験期間中に3回トイレに行きました。緊張するとおしっこに行きたくなると思いますが、 それがずっと続いていました。極度の緊張状態だったのです。

その年の京都は非常に寒かったため、寒さでやられてしまったというのもあります。 部屋に入る時にはガタガタしていました。 後期に向かうにあたってはこの反省から、エスキモーが着るようなジャケットを買い、 ホッカイロをポケットに入れて、防寒を徹底しました。 このように、京都大学を受けるにあたっては特に、防寒はしっかりした方が良いというアドバイスも出来ます。 京都の冬をなめてはいけません。 参考にしてください。

しかし、もし前期の段階で防寒がしっかりしていたとしても、 やはり数学に失敗していたのではないかと思います。

1問目は明らかに簡単そうでしたが、解けませんでした。 他の人が解けているというのはわかったため、頭がパニックになりました。世界が回転しはじめました。 手の震えが止まらず、字が書けなくなりました。 おそらく顔面蒼白だったのでしょう。 3回もトイレに行くのは明らかにおかしなことですが、 試験官にも何も言われませんでした。 他の受験生の中に、3回もトイレに行ってる人はいませんでした。

全体的に手はつけましたが、完答出来たものはなく、どれも部分点という感じでした。 帰りのバスの中で次々と解法が見えていった時の絶望は忘れません。 部分点をうまく拾ってもらって250点中100点という感じの出来で、 その晩はホテルに帰ってから泣き崩れました。 自分の人生は呪われており、ここで死ぬことを運命づけられているのだと感じました。 簡単な年だったため、 他の受験生より50点から100点くらいはビハインドしているという形勢判断でした。 これはさすがに、挽回不可能ではないものの、かなり絶望的です。

おれの失敗はどこにあったかというと、 数学で得点をとろうとしたことにあります。 数学はほどほどで、他の科目で差をつけていくのが浪人の合格戦略だとおれは考えます。 というのは、数学は水物とまでは言いませんが、 頭がパニックになった時にはどうやっても解けないのです。 難関大学の数学では、簡単な問題と言われる問題でも、 パニックになっては解けるレベルにないからです。

浪人というのは、プレッシャーがかかるものなのです。 だから特に数学では、まともな実力が発揮出来るとは期待しない方がいいです。 それどころかおれのように大ゴケする可能性もあります。 それよりはむしろ、 数学はほどほどで回ってきた上で、 実力があるならほぼ確実に得点出来る理科や英語で高得点をとって勝ち切るという 戦略の方がまともに見えます。 また、他の科目でしっかり得点出来るという自信自体が、数学での精神安定をもたらす可能性も大いにあります。 だからこそ、浪人は、数学以外の科目に時間をつぎ込むべきなのです。

結果として京大に進学出来たのだから、 おれとしては大数にぶっこんだことは良かったことになりますが、 完全に結果論です。

では、数学はどうやって勉強すればよいかというと、 標準的な難易度の問題を確実にとる訓練をした方が良いと思います。 学コンで出るようなSランクの問題は受験にはあまり出ませんが、出てしまったとしたら捨てていい。 それよりはほどほどの問題で、解けないと合否に関わるような問題をしっかり取りきって、 安全に勝ちに行くことを目指すべきです。 おれは振り返ってみると、超高難易度問題もわからない時に散歩していいなら解けるけど、 ふつう難易度の問題も解法が瞬見えするような訓練はしてなかったです。 勉強の段階から、「これは解けないといけない」「これは解けなくていい」という線引きをして、捨てましょう。 東大や京大の医学部を目指すというのでなければ、それで十分に勝てると思います。

どうしても、浪人で東大や京大などを目指すとなると、 大数をやるかという気持ちになっていくものです。 もちろん、大数の特別号やふつうの演習問題を解くのは推奨されるのですが、 学コンだけは手を出してはならないというアドバイスでした。

この本はおすすめです。

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