豊洲の幼児虐待殺害事件の真の問題

アガサ・クリスティの推理小説を好む私が 豊洲で起きた幼児虐待殺害事件について語るか。

事件の概要

IHI(石川島播磨重工) の社員渡辺雄二容疑者が長男を虐待し、殺害した事件である。

事件は豊洲にあるキャナルスクウェア豊洲で起きた。家賃は最低ラインの1LDKで15万。 2LDKになると20万か25万程度はする高級物件である。 キャナルというのは、運河という意味である。 洒落ている。

容疑者は大企業のIHIで34歳ということだから、年収も少なくとも700万、出世が早ければ大台に乗っていただろうし、 プラスして奥さんもこの事件があった頃に海外出張に行ってるようなキャリアウーマンなので、 世帯年収でいうと余裕の家賃といえる。

このマンションからIHIまでは目と鼻の先であり、 そういった順風満帆の人生を送っていたのがこの渡辺容疑者なのだ。 おそらく朝はどこかの保育園に子供を預け、それから出勤していたという光景が想像に難くない。 実際、この地域には子供をおんぶひもに載せて保育園に預けにいく男性が大変多い。 そのうちの一人であっただろうと想像する。

豊洲という街がどういう街かというと、 ここにはIHIを含め多くの一流企業が社屋を構える。 代表的なものとしてはNTTデータなども豊洲に本社がある。 また、代表的な商業施設としてはららぽーと豊洲があり、 ここにはショッピングモールの他、映画館などもある。 お母さんたちが引いているベビーカーは高級メーカーのものしか存在しないし、 高級外車も多く走っている。

世帯年収1000万を超える富裕層のファミリーが住む街、 それが豊洲といえる。

その幸せな街で起こった悲劇が、今回の事件なのである。

殺されたのは内縁の妻の子供

しかしこの家族はふつうの家族ではないのだ。

渡辺容疑者の家には以下の4人が住む。

  • 渡辺容疑者
  • 内縁の妻桃子氏(内縁というのは法的には結婚していないという意味)
  • 桃子氏の連れ子(この子が殺害された)
  • 渡辺容疑者の子供(これが桃子氏の間に出来た子なのかは情報が見つからない)

なんとも奇妙な「ねじれた家」なのである。

アガサ・クリスティ名作「ねじれた家」。おれは今でもソフィアが犯人だと思っている

事件は、この桃子氏が海外出張中に起こったが、 日常的に虐待が行われていた痕があるという情報もあり、 謎が深まるのである。

再婚相手の子供を虐待する確率は通常の10倍

再婚相手の子供を虐待する確率は、 自分の子供を虐待する確率の10倍といわれている。

子供の虐待件数は年におよそ15万人程度であり、 これは日本の大腸癌の罹患者数とほぼ等しいから 虐待は決して稀であるとはいえない。

さて、私はマイコードという遺伝子検査を行い、 病気ごとのなりやすいなりにくいを調べたわけだが、 何かの病気になりやすいとしてもそれは高くて1.5倍程度であり、 10倍という数値のものは存在しない。

だから、10倍というのは相当に高い数値なのだ。

ではあなたがもし、この生活習慣を続けていれば 大腸がんに罹患確率が10倍になるよと医者に忠告されたらどうだろうか?

当然、生活習慣を改めるだろう。 再婚というのは、その忠告に従わなかったとイコールであると考えられるから、 これがどれだけすごいことかわかるだろうと思う。

私には今回の事件は必ずしも渡辺容疑者だけが悪いとは思えないのだ。 そもそも再婚ないしは内縁という関係が過ちなのだ。

殺された子供のことが不憫だ

殺された子供は、虐待される確率が10倍になることは知っていただろうか? きっと知らなかったに違いない。 自分の真のお母さんが出張でいなくなり、 そこに鬼のような顔をした容疑者が迫り、 殴られていた時、何を思っていたのだろうか。

「お母さん助けて」

と思ったかも知れない。しかしそれ以上に、

「お母さんは自分を見捨てた」

と絶望していたに違いないと私は思うのだ。

生殖に意味はない。 生殖をやめろ。

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