【25年目の麻布中学合格体験記】95点はその場で破り捨てる

上位の中学受験生にとって、小学校の勉強は幼稚園レベルである。試験は100点が基本であり、それも試験時間のほとんどを余して終わってしまう。周りを見回して、なんでこの子たちは分からないふりをしているのだろうかと思っていた。もはや人間と思っていなかった。

とある非中学受験生の女の子と話していた時、彼女は100点をとると親から100円を「ご褒美」としてもらえるシステムだと聞いた。それに対して、「じゃあ僕だったらお金持ちになっちゃうね」と冗談を言ったものだが、もちろん100円玉なんかいくら積み重なってもお金持ちになんかなれない。しかしより本質的なことは、その時は気づかなかったのだが、そのシステム自体が本当に正しいものなのだろうかということだ。100点をとるとご褒美をもらえるということは、100点をとるということは文字通り「ご褒美」なのだ。それでは、100点をとることが当たり前にならないから、却って子供の教育に悪いのではないかとこう書きながら思うのである。このことを母親に告げたら「最悪ね」と吐き捨てていた。

100点が当たり前なのだが、95点ということはたまにあった。90点まで行くことはなかなかなかったが。原因は、つまらない勘違いとかその類なので通常は「あーそうですか」という程度でテスト用紙を丸めてポイするくらいだったのが、その時は苛立っていたのか、返された95点の答案用紙を見て激昂し、その場で破り捨てた。

私は、ガンダムZのカミーユのような人間だと言われたことはある。これは、些細なことに敏感で、やがて精神崩壊を起こすという暗示であっただろう。今こうして社会から疎外されてしまったことを考えると、ある意味その暗示は当たっていたように思う。もう1つ、ドラゴンボールのベジータのような人間だと言われることは、これはよくある。これは猛烈にプライドが高く、自分の失敗を許せない(もちろん他人の失敗も許さない)という意味だ。

この時はベジータモードだった。あまりにくだらないミスで、こんなミスは認められないと言わんばかりにテスト用紙をバリバリに破り捨てた。

結果どうなったかというと、クラスメイトの女子には泣き出す子はいたし、もちろん私も教師に叱られた。まぁでも前に話したように、中学受験に対して多少の理解がある教師だったから、「100点じゃなくて苛立ったのはわかるが、ああいうことをすると他人が悲しむということを覚えた方がいい。100点をとることがすごいことな子だっているんだ」という諭し方だった。もしこれが某東須磨小学校のトンチンカン教師のような人間だったら、もしかしたら刺し殺していたかもしれない。なんたって私は他の教師をナイフで刺し殺そうとしたことがある。正しいと思うことならばなんだって実行する覚悟は決まっている。まぁこれについては機会があれば話そう。中学受験とはあまりに関係ないことだ。

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