ルシファーと地震

不合格祝勝会

昨日3月16日は素晴らしい日だった。 ルシファーの不合格を見届け、 午後7時から開催した不合格祝勝会には70以上もの人が集まってくれた。 同志たちと勝利の喜びを分かち合うことが出来た。

来年からの国試の傾向変更を考えると、 事実上、今回がおれとルシファーの最終決戦ということになるから、 喜びのあまり「落ちファー音頭」も踊ってしまった。 これはなかなかウケた。 やってみて気づいたが、肩がほぐれてなかなかいい体操だ。

地震

その夜、もう11時もすぎた頃だが、 酒も飲んだしそろそろ寝ようかと思っていると、かなり強い地震があった。

過去にさかのぼって2011年3月11日。 東北大震災があった日だが、この時おれは京都にいて、 横浜にある日立製作所の寮に引っ越す準備をちょうど進めていたところだった。 だから、おれは東北大震災を経験していない。

なんとか無事横浜に引っ越し、その後日立を辞めたあとは東京に住んでいるが、 今回の地震は記憶にある中では過去イチの揺れだったため、さすがのおれもかなりビビった。 一応、机の下に避難していると、台所か洗面台の方からカランカランという音がした。 あとで調べるとどうやらシェイビングジェルの缶が落ちたようだった。 こんなことは初めてなので、ちょっとしたホラーだった。 地震によって物が落ちることを経験したことがないのでそれにリアリティがなく、 もし突然缶が落ちるとしたら ポルターガイストということになるからだ。

ルシファーと地震

さらにおれを恐怖させたのは、 これがルシファーの呪いではないかと思ったからだ。

ルシファーは3.11の前日に、東大理三を不合格になっているのだが、 あの地震はルシファーが起こしたものらしいのだ。 というのは、本人がそう述べていて、どうやら怒りやら負のエネルギーがたまると、 それを自然現象として爆発させることが出来るらしいのだ。 ルシファーは恐ろしい男だ。

人間にまさかそんな力があるわけがないと思うだろうが、 昨年の国試後にも震度6強レベルの強い地震があった(2021年2月13日)し、 どういう理由だったかは忘れたが、今年起きたトンガの火山噴火も ルシファーが起こしたとのことだ。

これは理論上は可能なことだ。 バタフライエフェクトというが、 ルシファーにバタフライエフェクトを逆演算する能力があるとしたら、 地震を起こすことは可能であろうと思う。 そんなことは不可能だと思うかも知れないが、 実際、人間の脳の限界というのはまだ知られていないのだ。 過去、祈るだけで雨を降らせたり、そういった魔力を持つ人間がいたらしいが、 おれはこれらの人間も実は、バタフライエフェクトを逆演算する能力があったのではないかと思っている。

だから昨日の夜はかなり怖かった。 おれはルシファーのアンチとしてこうやってブログやYoutubeで 散々おちょくっているから、 負けが確定し絶望したルシファーが暴走して、地震によりおれを殺しにきても なんら不思議ではない。

感情の在り処

さて、来年はどうしようか。 おれは、今年がルシファーにとって真の意味でラストチャンスだと思っていたから、 正直なところもうあまり興味がない。 おそらく来年は4点では足りず、10点20点というレベルで確実に落ちるだろう。

本人もかなり危ないと見ているのか、自己軟禁状態にして国試に打ち込むと言っているが、 もしそんなことが出来る人間ならばとっくに受かっているからどうせ無理だろう。 どうせ夏には東大実戦を受けているに決まっている。 仮に出来たとしても、やはり不合格は間違いない。

(ツイートが削除)

それに、ルシファーはもう感情も失っていて、 昨日の不合格では悲しいそぶりすら見せなかった。 これでは面白くもなんともない。

昨日の不合格祝勝会LIVEの中で、 おれはルシファーが泣かなかったことが解せないと言っているのだが、 これについてはネットに 「ルシファーを見てると末期癌の闘病患者を見ているようだ」と言っている人がいた。 良い表現とはいえないが、的確な表現だと思った。

おれは医療関係者ではないのでそういう例は多く見ていないが、 京大の後輩山口くんの闘病生活を書いた本

を読んだ時に感じた感覚と確かに同じだと思った。 「なぜこの子は、絶望的な状況なのに前向きでいられるのだろうか?」

ようやく理解したのだが、 本人は、自分が死ぬことは理解していたのだ。 だけど、その絶望に押しつぶされないように感情をシャットダウンしていただけなのだ。

ルシファーも同じで、 国試に落ちても「残念ながらなかったです。なかったです」と客観的事実を繰り返すだけで、 悲しいという感情すら出さず、「次はがんばります」といえるのだ。 おれはこれが、彼がアスペルガーだからとか、浪数を重ねすぎて感覚が麻痺してるだけかとも思っていたが、 2年前の不合格の時はたしかに悲しんでいた。

この翌年にはパパファーが死んだ。 パパファーが死んだ時、ルシファーはサイコパスのような言動が目立った。 おれはこのアスペルガーというものは、父親が死のうが何の感情も持たない冷たいロボットのような ものなのだと勘違いしていたが、どうやら違う。 ルシファーは、パパファーが死んだことを今も悲しんでいるし、 パパファーの夢でもあった東大理三卒の医者になれないことに失望もしている。 だけど、そういった大きな感情に押しつぶされてはもう立ち上がれないとわかっているから すべての感情をシャットダウンした。 だから、去年も泣かなかったし、今年も泣かなかった。

しかしそれにも限界がある。

山口くんの闘病記のほとんどは、 病気に対して前向きに立ち向かう様子が描かれているが、 絶望から心が折れてしまい、 治療薬をゴミ箱に投げ捨て、医者に見放され、精神治療を受けたことも書かれている。

ルシファーも同じではないだろうか?

【東大理3】ルシファーは神童の誇りを取り戻せ

以前の配信でママファーがルシファーに向かって 「大声を出しちゃだめよ」 という声が聞こえたことがあった。 これは今思うときっと、山口くんと同じように、 絶望が抑えきれず、暴走してしまうことがあるのではないか。

心配していることがある。 ルシファーの飯に最近、弁当が目立つようになったことだ。 来年の受験のための支援を必死になって募ることも多くなった。 今までは「理三卒のこの私に投資をしてみないかね」というどこから目線だったものが、 その必死さが痛々しく感じるようになった。 去年は不合格だった時にすぐにママファーにLINEをしていたはずだが、 今年はしていなかった。 こういった変化からみると、 もしかしたら、家族からも見放されつつあるのではないかという気がしている。

自分を追い詰めすぎて、 変な気を起こさなきゃいいけど。

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