【二月の勝者】8巻の感想。中学受験ってこんなに大変なの?

二月の勝者の8巻がこの前6月30日に出て、すぐさまKindleで買って読みました。 最新のiPad Proで読む漫画は最高ですね。

25年前の二月の勝者(麻布中学合格)のおれが、今回も感想を書いていきます。 中学受験経験者の視点から見た感想を楽しんでください。

筆者による忖度。引きこもりの子の名前は「アキラ」に確定

二月の勝者でストーリー上注目すべき点の一つは「黒木の過去」なわけですが、 黒木がちょくちょく見舞いに行く過去の教え子と思しき子供(過去のプリントの内容からおそらく中学生) の名前が「アキラ」ということがわかりました。 おそらく、著者の高瀬さんが、おれに忖度して名前をつけてくれたのだと思います。 感謝します。

しかし、実際に中学受験には「アキラ」が多いのです。 中学受験経験者の多くが実は多胡輝の「頭の体操」シリーズなのですが、 まずここからして「アキラ」であり、実際に麻布中学には他にもアキラがいました。 大抵の場合、名前はアキラにしておけば子供は賢くなるというものです。 ただし結局は遺伝子。遺伝子がだめだと何もかもおわりです。

ちなみにおれはMYCODEをやりました。 数学の能力とか、致命的な遺伝子があるらしいので、先に調べておくといいです。 算数がだめだと中学受験はおわりますからね。 唾液を入れて送るだけなので、やってみるといいです。

志望校ってそんなに練るものだったのか

8巻の大半は、保護者面接が描かれていて、 ここでは、親に志望校の提案をしたり、 絶望する親を励ましたりということが行われているのですが、 読んでいて、「おれの母親もこんなのに行ってたのだろうか?」と思いました。 そういえば、面談に行ってくるということを聞いたことがあったような記憶もうっすらあります。

志望校を下げるという話をしたこともないし、 そういうことを提案されたこともないので、 ふーん下々の中学受験っていうのはこういうもんなんですかって感じです。 志望校は御三家でも書いてだせばよいのではないでしょうか。

漫画では、家系が代々慶応というところの母親が、 「自分は慶応ではないからもし子供が慶応に落ちてしまったら 私の遺伝子のせいだと責められてしまう!」と発狂してるシーンがありましたが、 おじいさんが東大、父親が麻布で麻布志望の子なら知っています。 結局受かりましたが。 だから落ちたらやっぱり遺伝子が悪いんでしょう。もう遅いですががんばってください。

とりあえず今川母は死ぬべき。こいつはクソ。

上杉くんの志望校、たぶん麻布で確定

前巻の最後に上杉くんが兄のフェニ杉くん(フェニックスに通ってるから)の成績表を見て、「よし。決めた」と言って志望校を決めるシーンがあって、 フェニ杉と同じく麻布だろうというのは想像がつくのですが、 今回の保護者面談で、上杉くんが塾に志望校の変更を伝えていたことが発覚。 これは熱いですね。現状では偏差値は全く足りてないですが、運動会で足が速いシーンも描かれていますし、たぶん受かるでしょう。 おれも足が速かったですから。逆にフェニ杉が落ちるんじゃないかと心配になってきました。

おい抑圧じじい。旧帝大ってどこだよ

保護者面談の他には、島津くんが父親から虐待されるシーンが多く描かれていて、 島津ファンのおれとしてはかなり楽しめました。 島津くん、開成受かってほしいですね。 おれが好きな子供は、まるみと島津くんです。他の子はどうでもいいです。

島津くんは父親による虐待の結果、精神的に悪くなり、成績がどんどん下がっているのですが、 そんなのお構いなしで父親が虐待を続けているというザッツ中学受験的な家庭です。 島津くんについては前に書いたので読んでない人は読んでください。

【二月の勝者】島津くん。中学受験における虐待問題

その父親が島津くんに、自分では虐待と思ってないけど虐待をしている理由が、 「塾のカリスマ講師だかなんだか知らないが、自分は塾にも行かず旧帝大に受かった成功者なんだから おれの言うことを聞け」

なのですが、おれが思ったのは

「で、旧帝大ってどこだよ」

です。

まず、東大の人は旧帝大とは言わないです。 (その代わり彼らは「東京の大学」と言います。ここらへんが東大生のいやらしいところなのです) 京大も言わないと思います。 そもそも、どこの旧帝大出身者でも、自分の母校のことを旧帝大とは言わないと思いますが、 少なくともこの2つではないことは間違いないでしょう。

であるとすれば、あなたが今虐待してる子供はこれから東大に進学する可能性があるギフテッドであり、 「旧帝大」であればほぼ100%進学できるポテンシャルがあるので、虐待しないでいただけるとほしいです。 お前は黙ってATMやってりゃいいんだよハゲ。

このあと、父親が母親に暴力を振るったことで、島津くんがおそらく父親を抑止するために椅子を投げるとかバットで殴るとかしたんだと思いますが、 その時に母親から塾に「助けて」の電話がかかってきたことで黒木が直行。 すでに警察がかけつけており、「あの日」のことを想起させるものの、アキラで犯した失敗を繰り返さないため勇気を持って踏み込み父親と相対するわけですが、 そこでぜひとも「あんたどこ大だ?おれは東大だ。言うことを黙って聞け」の一言で島津父を黙らせてほしかったです。 黒木が東大出身っぽい描写は描かれていますし、たぶんそうでしょう。 過去に「大人の中には権威に弱い人間がいる」と島津父を指して言ってたとおり、ここはその一言がほしかったです。 やはり、東大卒は自分が東大卒というのをはばかるものなのでしょうか。

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