高橋まつりの英作文「もったいないと私」

なぜ高橋まつりは死んだのか。 これを考え続けている。これは、愛かも知れない。 だとしたら歪んだ愛だ。

そこで今日は彼女の英作文コンテスト受賞作を日本語で紹介する。

全英連英作文コンテストとは

「全国英語教育研究団体連合会(全英連)」 という組織がやっている英作文コンテストというのがあるらしい。 知らなかった。すごく意識が高そうだ。

全英連は、高校生の英語力の向上をはかり、英語による発表能力を高めるために、昭和37 年から文部科学省その他関係方面からの後援を得て、全国高等学校生徒の英作文コンテストを実施してまいりました。高校生にとって自分の考えを英語で発表することは決してやさしいことではありませんが、全国各高校の先生方をはじめ、各方面の御協力で、このコンテストは年々成果を上げてまいりました。一次、二次審査をとおして最優秀賞が1編、優秀賞が5編、優良賞が10編、そのほか100編ほどが入選となります。タイトルに従って全国の高校生が英語による自己表現にみがきをかける場です。多数の御応募お待ちしております。

高橋まつりはその47回で受賞した。 「過労死ゼロの社会を」の巻末には、高橋まつりがいかに素晴らしい人間だった かの証明のためか、彼女の英作文が掲載されている。

これがなかなか熱い。

47回コンテストの要項は平成20年6月1日付けのものがネットで見つかった。 読むと、なにかしらのお題に対して500語程度で作文するというもののようだ。

この年のお題は「Motttainai and I(もったいないと私)」であった。 Mottainaiというのはノーベル賞を受賞したワンガリマータイが使ったことによって 世界的に流行した意識の高い言葉であり、直近ということでありお題はそれを汲んでいるのだろう。 たくさんの過労死を生み続けている東京オリンピックを誘致するために滝クリが使った 「Omotena死」もMotttainaiに半ば乗った形になった。 東京オリンピック、電通、過労死。これらはすべて繋がっているようにおれは感じる。

この伝統あるコンテストは今でも続いていて昨年は58回が開催されたのだが、 お題は「A Japanese Tradition I Want To Share(私が共有したい日本の伝統)」らしく、 たぶんこういう意識の高いお題が出されるのだろうと想像される。

具体的に調べてみると、

  • 57: A Society I Want To Be Realized
  • 56: The Importance of Diversity
  • 55: The First Step of Our Adulthood
  • 54: How I Would Choose My Career Path
  • 53: How I Would Advertise Japan
  • 52: The World in 20 Years
  • 51: The Artist I Love
  • 50: The World of the Internet

だそうだ。この意識の高さに電通を感じざるを得ない。 (コンテストと電通は何の関係もない)

16歳のクソガキが何がキャリアパスじゃ。 何がダイバーシティじゃ。何が伝統じゃ。 そもそも16年しか生きてないのにどうやって20年を語る気じゃ。 と、その意識の高さに色々と突っ込みたくなるところであり、 麻布生が近づかないのもわかる。

本には「受賞作」とは書いてあるのだが、 一体どのランクの賞をもらったのかは書かれていない。 一人しかとれない最優秀賞をとっているならば、この母親はそう書くだろう。 しかし、英作文の内容や英文自体の出来もそこまで良いとは思わない (英語的に間違っている箇所もある。理解出来ないところは好意的に解釈した) ので、入選くらいではないかと想像する。

こういうコンテストはふつう、過去すべてのコンテストの要項や受賞者を 公表するものだ。(受賞者に対するリスペクトは大切だからだ) しかしなぜか50回以前の情報は公式サイトからも辿れないし、 ネットにも残っていなかった。 高橋まつり関連で追跡されるのが鬱陶しかったからすべて消したということであれば残念だ。

ではさっそく作文の方を読み解いて行きたい。

もったいないと私 - 高橋まつり

ものを捨てる時、流しっぱなしの水で食器を洗う時、レストランで食べ物を残す時、 私はいつも「もったいない」と言ってきた。 周りの人はたまに「あなたはケチね」「もっと水を使えばいいのに」 などと言ってきたが、私はそうは思わない。

「もったいない」は環境活動におけるポジティブな考えであり、 今や国際的に広く使われている言葉でもある。 この「もったいない」というスローガンを念頭に起き、 実践していくことはとても大切なことだと私は考える。

私が11歳の時、学校で環境学について教わった。 地球を守ることの大切さ、とりわけ森林を守ることの 重要性を学んだ。

ある日、給食の時だったが、 私は紙スプーンが不必要であると気づいた。 というのも、私たちは給食を箸やスプーンで食べているのだが、 デザートには別の紙スプーンを使っていたからだ。 この紙スプーンをなくすことが出来るのではないかと私は考えた。

そしてクラスの中でこう言った。 「紙スプーンがもったいないとは思いませんか?使うのをやめましょうよ」

一部のクラスメイトは、私の意見に賛同してくれたが、 「そんなのケチくさいわ。私はデザートとご飯を一緒のスプーンで食べたくない」 などと言って反論する人もいた。

そのあと、一部のクラスメイトは紙スプーンを使うのをやめて、 缶の中に集めるようになった。先生も協力してくれた。 当初、半分しかいなかった協力者は、一ヶ月も経つ頃には クラスメイト全員になっていた。

私はとても嬉しかった。 しかし同時に、基本的な問題に気づいてしまった。 紙スプーンを集めることには何の意味もなかったのだ。 紙スプーンを配ること自体をやめなければいけない。 私は先生たちに向かってこう呼びかけた。 結果としてその年、私たちは500本の紙スプーンを節約することが出来た。 自分たちの行動が資源の節約につながったことを、私たちはみんなで喜んだ。

私は「もったいない」というアイデアについて学んだことを 実践に移すことの大切さを学んだし、 自分の行動が他人の行動に変えることが出来ることを学んだ。

これが私にとって「もったいないと私」の始まりだった。

それから私の家族は、3R (reduce, reuse and recycle) を実践し続けた。 これは、私の家族にとっては自然なことだった。

しかし環境問題が今のように注目を集めるまでは 「もったいない」は良いイメージを持っていなかった。 きっと、ケチだとかめんどくさいと考える人もいたはずだ。

しかしこうやって幸運なことに「もったいない」という言葉は今、 単に無駄遣いをしないという意味だけではなく、すべてのものに対して感謝するという意味で 国際的に知られるようになった。 この言葉は、ノーベル平和賞を受賞したワンガリムタマータイ がスピーチの中で使ったことでよく知られる。 彼女の行動が世界を、日本人の考えをも変えたのだ。

「もったいない」の意味はますます良い方向に変わり続けている。 それは今や、ただケチであるという意味だけではなく、 私たちの生活をより経済的にしつつも、環境に優しくあろうとする考え方になった。

しかしもっとも大切なことは、 「もったいない」を行動に移すことである。 それは難しいことではない。 なぜならば、11歳の女の子ですら出来たことなのだから。 私は、世界のすべての人が「もったいない」の精神を持つことを望んでいる。

もし、誰かが私のことをケチだというのであれば、喜んでケチでありたい。

感想

うざったいと思った。

もし、常日頃からこのテンションでいたらかなり鬱陶しいだろう。 紙スプーンを節約した話は最初、当然つくり話だと思ったが、 何度か読んでいくうちに、本当だったかも知れないと思うようになった。 おそろしい高橋グレタだ。

つくり話と思うのは、 この英作文が全体的に、受賞を狙いに行ってるように見えるからだ。 2020年現在のディープラーニングに、英作文コンテストで受賞する英文を出力させれば、 きっと同じような英文を書くだろう。 「もったいないと私」というお題に対して、確実にヒットを打つための内容にみえる。

高橋まつりは典型的な優等生であった。 高校入学時は新入生代表で誓いのことばも読んでいる。 おそらく、この英作文コンテストには自主的に応募したわけではなく、 学校の先生に薦められて応募したというところだろう。 中学生の頃から成績優等だった彼女に対しては、 学校の教師陣総出の東大合格プロジェクトが動いていたし、 その一環としての英作文コンテストだったように思う。 あるいは、奨学金をとるためのポイント稼ぎだったかも知れない。 少なくともおれはこの文章から、自主的に「もったいないと私」 について書きたいという意思は感じなかった。

もっとも、「もったいないと私」というお題に対して、 これ以外の内容は書きようがない。 明らかにワンガリマータイのことには触れる必要があるし、 明らかに環境問題に対する意識を問われているからだ。 こういった要素から逆算すると、この文章しかありえない。 だから、こうなってしまったのはお題が悪いとも言える。

何にせよ不幸だ。 自分が死んだあとにこんな黒歴史みたいな英文をさらされて、 しかも見下すべき京大卒のニートに和訳された上に解説までされてしまった。 GGとしか言いようがない。


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